つれづれ

2026年上半期の株価見通し 1〜3月は5万円割れも5~6月には回復か

2026.1.7

今年上半期の日本経済や株価はどう動くのか――著書「ネット株手帳〜石橋をたたいて渡る」の購読者らを念頭に、年数回、私の株価見通しを公開しています。当たることもあれば、外れることもあります。なぜ当たったのか、なぜ外れたかを本書愛読者が自分なりに考え、分析し、今後のネット株投資の参考にしていただければ幸いです。 (三橋規宏・日本経済新聞社元論説副主幹)

▽高市トレードが株価上昇後押し

 実は本書『ネット株手帳2026年』発売前の昨年(2025年)10月中旬、年末の株価見通しを公開しました。タイトルは「5万円越えはちょっと無理か」でした。実際はどうだったか。10月27日に史上初めて5万円台に乗せ、同31日には終値ベースで5万2411円まで上昇、史上最高値を更新しました。その後、株価は下げに転じましたが、12月30日の大納会大引けの日経平均は5万0339円(前日比187円安)。年末の株価として初めて5万円台をキープし、筆者の予想は外れてしまいました。前年末からは1万0444円(26・18%)も上昇し、上げ幅は過去最大でした。

 この上昇の最大の理由は高市早苗新首相の登場です。アベノミクスを見習った積極財政、低金利政策が市場関係者から好意的に受け取られた結果、「株高、円安、国債売り(長期金利上昇)」の高市トレードが動き出し、5万円をあっさり上回ってしまいました。

株価は一寸先が闇です。何が起こるかわかりません。

▽どこかで調整が必要

 さて、今年の株価はどう動くでしょうか。

 5日の大発会の終値は前年の大納会比1493円高の5万1832円で、上げ幅としては過去8番目の大きさでした。ご祝儀相場とはいえ、3日にはトランプ米大統領の指示で米軍がベネズエラの首都を攻撃、マドゥロ大統領を拘束するという異常事態が発生したばかりです。それにもかかわらず、東京市場への影響はほとんど見られなかったのは不思議な気がします。いずれにせよ、大発会を見る限り株価の基調は強そうに見えますが安心は禁物です。大発会の株価は新年のご祝儀相場の性格が強いからです。ご祝儀相場がはげ落ちる1月中下旬以降、株価にマイナスの要因、例えば、政府による円買い介入とか日中経済関係を悪化させる何か異変が起きるなら、それが株価下落の引き金になるかもしれません。

 日経平均は昨年、1万円強上昇しました。通常なら、年間の上昇幅が5000円を超えれば万々歳ですが、昨年はその2倍もの上昇だったためどこかで調整が必要かもしれません。

 ベネズエラ攻撃の今後の影響も含め、昨年の急激な株高調整は、1月中下旬から始まり4月初めまで続くとみられます。5万円を割り込み、4万8000円前後で推移する公算が大きいと思われます。

 日本経済新聞は毎年元旦の朝刊で、主要企業の経営者20人にその年の株価見通しを聞いています。20人全員が今年後半(10〜12月)に、昨年10月末に付けた史上最高値を更新すると答えています。高値予想の平均は5万7350円。6万円越えを予想する経営者も数人いました。逆に安値の予想は1〜3月頃、5万円を割り込むとの見方が多数派でした。現状を踏まえれば、妥当な見通しだと思います。

▽5、6月頃には5万円台回復へ

 以上を念頭において、上半期の株価の動きを展望してみましょう。

 米経済は関税引き上げの影響で輸入価格が上昇、個人消費支出の低迷が懸念されます。米国のGDP(国内総生産)に占める個人消費比率は日欧より10%以上も高く、67%前後なので景気に与える影響は深刻です。

 日本も円安で輸入物価が上昇し、今年の実質経済成長率は1%に届きません。

 さらに今月末に日米中央銀行の政策決定会合が予定されています。市場では政策金利を日本0.25%引上げ、米国0.25%の引き下げを見込んでいます。結果次第で株価にも影響しそうです。

 昨年11月中旬、国会での「台湾有事」に関連する高市発言に中国が激しく反発し、両国関係は悪化の一途をたどっています。経済への影響も大きく、今年前半にかけてさらに緊張は高まりそうです。ウクライナ戦争の行方も世界経済の暗雲となっています。

 米国ではクリスマス商戦のある10〜12月に株価は上昇し、1〜3月は閑散期で株価が低迷するという季節性があります。日本にもこの傾向が見られます。

 3月期決算で好調な企業業績が確認され、新年度予算の実施を見届けた後、4月中下旬頃から株価は回復に向かい、5、6月頃には5万円台を回復する相場展開が予想されます。

 なお、今年後半の株価見通しは、6月頃に公開したいと思っています。(1月5日記)

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