つれづれ

チッパー、半年ぶり“自宅”に戻る

2023.12.11

 盲導犬繁殖犬チッパーさまさまね 定年おやじ奮闘記』の読者の皆さま、チッパーが著者の白石裕雄さんの自宅に帰ってきましたよ。ご家族から連絡がありました。

繁殖犬は盲導犬の父親・母親となる犬で、公益財団法人日本盲導犬協会でも50頭前後しか育成していません。白石さんは定年を機にチッパーの飼育ボランティアとなりましたが、チッパーは体重38㎏もあるラブラドールレトリバーでリードを引っ張る力がとても強く、筋トレを欠かさない裕雄さん以外は散歩に連れ出せないほどでした。それから8年、毎日2回の散歩で健康的で充実した生活を送っていましたが、今春体調に異変を感じ病院に行ったところ、血液の難病と診断されました。そのため5月26日にチッパーを盲導犬協会に返して、治療に専念しましたが8月に亡くなりました。68歳でした。

 その後、裕雄さんの妻良子さんや2世帯同居の長女らが話し合って「裕雄さんの想いを引き継ぎたい」とチッパーの引き取りを希望、長女が盲導犬協会の飼育訓練を受け、OKがでました。

11月23日、チッパーが約半年ぶりに帰ってきました。早速飼いネコのマリーとにらみ合ったあとは暮らし慣れた部屋でゴロンと横になってすやすや、居心地良さそうです。

これまでは、協会の事業所や委託を受けたボランティア宅で飼われていたとのことです。体重34・7㎏と少し減ったものの引っ張る力はまだ強く、散歩の家族が転んでジーンズが破れヒザを痛めたこともありました。

チッパーは12月2日生まれ。良子さんが「きょう9歳になったのよ」と裕雄さんの遺影に話しかけると、チッパーはいつ会えるのかという感じで出入り口を向いていたとのことです。チッパー、いつまでも元気でね。

※同書は2023年9月に刊行(定価1600円+税)しました。