つれづれ

市民風車「ぽんぽこ」回って、
“お小遣い”まで

2021.7.30

 先日、(株)市民エネルギー市民ファンドから届いた封書を開いて、ニンマリした。同ファンドの20基目、秋田県内では3基目となる「市民風車ぽんぽこ」(八峰目名潟 [はっぽうめながた] 風力発電所)に賛同したことに対し、「順調に稼働しています。利益分配金として出資額の3.3%(税込み)を振り込みます」との報告だった。

(写真提供:株式会社自然エネルギー市民ファンド、無断転載禁止)

 「ぽんぽこ」は、タワーの高さ82m、羽根(ロータ)の直径は78mもあるドイツ製風車。同県北部の海岸から約200m入った小高い丘の上に設置され、2020年2月から稼働、20年度は553万kWh(約1800世帯分)を発電した。大陸からの季節風が強い冬季は順調に(12月は設備利用率60%)、春~秋はそこそこに電気を生み出し続け、最大瞬間風速47m/sの風にも負けなかった。風車の数は全国3位の秋田県だが(1位青森、2位北海道)、発電能力(設備容量)では全国トップを誇る(20年末時点、日本風力発電協会調べ)。「ぽんぽこ」と名付けたのは地元の小学生、地域にも愛されているようだ。

 ご存知の通り、バブル崩壊後続いた低金利は、アベノミクスで事実上のゼロ金利まで下げられた。今や銀行の定期預金は年利0.002%と、100万円を1年間預けても利子は20円ぽっち。株式などへの投資は損得つきものだ。

 原発は危険性だけでなく、放射性廃棄物も貯まる一方だ。「発電コストは最安」の虚構を経産省も認めざるを得なくなった。50年脱炭素に向けて火力発電に頼るわけにいかない。期待の再生可能エネルギーに市民ファンドなら手軽に協力できる。そのうえ(風頼りで変動はあるが)お小遣いをもらえるなんて……。