つれづれ

グローカルの折り合いをどこに見出すか、『PBE 地域に根ざした教育』

2019.10.24

最近、問い合わせが続いている本があります。


早稲田大学教授でNPO法人エコプラス代表理事の高野孝子さんの編著『PBE 地域に根ざした教育~持続可能な社会づくりへの試み』です。

 PBEとはPlace-Based Educationの略。書籍のタイトルにもある「地域に根ざした教育」のことです。これは「ある場所に注目し、そこにある暮らし、社会、経済、事業、自然環境、動植物、文化、芸術、伝統、光景などすべてを、全体として学びの場とするもの。この学びを通じて、個人と集団に、幸福・福祉の向上、アイデンティティの確立、格差・抑圧からの解放といった成果が期待される。同時に、公正で、生態的に持続可能な社会づくりにも貢献する」とされています。

 本書には、日本国内だけではなくアメリカ、オーストラリア、インド、ノルウェー、イギリスなどから招いたスピーカーによる様々な環境教育が紹介されています。これらの事例では、当然、環境とは自然のほか生活や地域の文化との関わりを含んでとらえ、各国のライフスタイルや日本にも通じる課題にも触れられています。

グローバル化される社会に求められる能力と、これまでのローカルでの関係性からはぐくまれる能力。時間のとらえ方すら異なるグローバルとローカルの価値感を、どうつないでいくか。多くのヒントと課題を本書から見出すことができます。