地球という舞台で、自分自身のためではなく、家族や集落や地域を育むために、個の利害を離れて活動している人々がいる。その人々の集積に、希望があるのではないか。「勝ち組」「負け組」という、どちらも自分のことだけしか考えない風潮が沸き立つ時代に、この人々はこの地球の上で、しっかりと生きているではないか。共通しているのは、地球だとか未来だとかいう遠大なことを言わずに、地域をしっかりと見据えていることのように思える。
急激に都市化してしまった私たち日本人には、地域という概念はとても遠くなってしまったようにも思える。しかし、ここに登場する人々の活動を見れば、命を支えるメカニズムとしての地域の存在は、不可欠のように思える。
ホリエモンのマネーゲームも、テレビ番組に登場する「地球大好き」などという軽薄な表現も、この人々には無縁である。
人と自然に向き合いながら、地道に活動を重ねる人々こそが、今と未来の地球を支えるのだと思う。
地球の温暖化とか、生態系の破壊とか、持続可能な社会づくりとか、とても大きな課題が示される。しかし、大きく見える課題も出発点は、地域にある。自分の足元を、自分たちの村を、まずどう再構成していくのか。それぞれの場所で、大きな視野を持ちつつも目の前の現実に立ち向かっていく、そんな人々のことを、「地球のむらびと」と私は呼びたい。
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第1章 育む
1 アフガニスタンで図書館活動をする ナシマ・サイディ Nasima Saedaqhar さん
2 ボリビアの山岳地域で教育事業に取り組む パブロ・カリーリョ Pablo Carrilloさん
3 アラスカの少数民族の教育に取り組む マイク・ハル Mike Hull さん
4 ドイツで子どもらと自然保護活動をする ピーター・ヴァイゼ&スーザン・シェアバート Peter Weise&Susann Scherbarth さん
5 アフガニスタンにランドセルを送る 甲斐和歌子 Kai Wakako さん
6 英国でガールスカウト活動をする シャリー・メイロール Sharrie Naylor さん
7 自然な出産と育児を広める 内田淳子 Uchida Atuko さん
8 英国で子どもを守る活動を続けてきた マーガレット・マッケイ Margaret McKey さん
9 直接体験を重視した多様な学びの舞台を作ってきた 高野孝子 Takano Takako さん
第2章 守る
1 インドネシアで森の開発と保護にかかわる クスワンドノ Kuswandono さん
2 英国で環境保護活動を広範に展開する ロジャー・デフリタス Roger De Freitas さん
3 フィリピンで音楽を通じて少数民族と自然を守る アーネル・バナサン Arnel Banasan さん
4 カリフォルニアで有機農業の輪を広げる サラ・コーエン Sarah Rose Cohen さん
5 サンフランシスコ市の公園整備を進める ジェフ・コンディット Jeff Condit さん
6 音楽を通じて海洋動物を守る ジム・ノルマン Jim Nollman さん
7 韓国で海辺の保護運動などを展開する ジュード・オー Jude Oh(呉泰勲) さん
8 中国に木を植える続ける 小椋好和 Ogura Yoshikazu さん
9 トイレから環境改善を進める 今津啓 Imadu Akira さん
10 日本各地にドングリを植る 佃正寿 Tsukuda Masatoshi さん
第3章 支える
1 バングラデシュで農民自立を支援する フェルドース・リリー Ferdous Akhter Lily さん
2 韓国で対人地雷を無くす活動に協力する キム・スミン&チョウ・ジェイコク 金洙_&趙載国 さん
3 インド北東部の山岳地帯の人々を支援する アンバ・ジャミール Amba Jamir さん
4 オーストラリアで芸術で障害者を支援する エンマ・ベニソン&アンジェラ・ジェスキー Emma Bennison&Angela Jaeschke さん
5 アイヌ民族の自立支援を行う 秋辺得平 Akibe Tokuhei さん
6 タイ山岳部の少数民族の支援活動をする アリヤ・ラッタナウイチャイクン Ariya rattanawichaikul さん
7 フィリピンで農民の自立支援をする ゾライダ・タン Zorayda Ta さん
8 インドで農民の自立支援に当たる オルデンドゥ・チャタジー Ardhendu Chatterjee さん
9 カンボジアで清潔な水を提供してきた 奥村いずみ Okumura Izumi さん
10 インド南東部の少数民族を支援する 竹内ゆみ子 Takeuchi Yumiko さん
第4章 住む
1 環境に負荷をかけない暮らしを実践する ロジャー・マクレナン Roger Mclennan さん
2 環境にやさしい日本の暮らしの知恵を探した グレッグ・マイケル Greg Michel さん
3 インドネシアで地図を通じて暮らしの再構築を図る マルコ・クスマウィジャヤ Marco Kusumawijaya さん
4 自然と人のかかわりを地図作りを通じて考える ウェンディ・ブラワー Wendy Brawer さん
5 ロンドンで市民が自然と触れ合う公園を運営する ベン・デューハースト Ben Dewhurst さん
6 瀬戸市で地域づくりにかかわってきた 古橋敬一 Furuhashi Keiichi さん
7 岡崎市の職人たちの再生に取り組む 太田恒司 Oota Kouji さん
8 世界各地の難民支援にかかわってきた 柴田久史 Shibata Hisashi さん
大前純一 プロフィール
特定非営利活動法人ECOPLUS理事・事務局長。元朝日新聞記者。東京社会部などでハイテク・環境・医療・国政選挙を主に担当。インターネットサービスのasahi.comの創設を担当し、並行してインターネットを使った国際的な環境教育活動などにボランティアとして参加する。2001年に独立、株式会社グローバルメディア研究所を設立。デジタルビジネスに関連するコンサルタントをしながら市民活動を続ける。愛知万博・地球市民村には、ECOPLUSの現地責任者として事前段階から本番まで継続的に参加し、地球市民村全体の立ち上げに関わる。
著書に『テレコム新時代・アメリカの未来通信』(1988年、朝日新聞社)、『環境メディア論』(共著、2001年、中央法規)、『持続可能な社会のための環境学習』(共著、2005年、培風館)など。
※この本は、本文には古紙100%の再生紙と大豆油インクを使い、 表紙は環境に配慮したテクノフ加工としました。
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