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7月中旬に一般公開された『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第七番』に、(特活)エコプラス代表理事の高野孝子さんが出演され、映画出演を機会に単行本『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて』を出しました。全国の書店はもとより、各地で続々と自主上映されている上映会場でも販売されています。
映画が龍村監督の作品ならば、この本は高野さんの作品です。本書を一読していただくことにより、映画作品への理解も一層、深められることと確信しています。
本書の副題には「冒険と教育の25年」とありますが、生い立ち篇、冒険紀行篇と環境教育篇からなる三部構成となっていて、著者のほぼ半生記と言える内容の本となっています。本の謳い文句は、以下のようです。
摂氏50℃を超すマダガスカルから零下45℃の北極海、そしてカヌーが残るミクロネシアの孤島まで、世界を駆けめぐる冒険を重ねた後、英国ケンブリッジ大とエジンバラ大で研究生活を送り、故郷の新潟県南魚沼市に舞い戻って田んぼと向き合う日々。地球的な視野を持ちつつも地域に根ざした「人」は、どのように育つのか。自らの体験に照らし合わせて、浮き彫りにする。
映画を監督された龍村仁さんには、次のような推薦文をいただきました。
「昔の叡智は未来の科学」
高野さんの生きざまから生まれたこの言葉の中に、
地球(ガイア)の未来への希望がある。
全ての生命が潔く健やかに生き続けるために。
地球交響曲に出演された高野孝子さんについて、ある程度ご存知の方はもちろん、まったくご存じでない方も、わかりやすい文章と多数の写真で、人間・高野孝子の見取り図として「Who is Takano Takako?」「What is Takano Takako?」の疑問符が解けます。
そればかりか、高野さんがこれから社会と人に対して何を働きかけようとしているかわかる本です。高野さんは地域独自の根っこ教育によって、人々が失ってしまった地域と自然のきずなを取り戻し、人と社会に元気をもたらそうとしています。
とりわけ根っこを失った、根無し草のような都市住民にとって、どうすれば一人ひとりのアイデンティテイを回復できるのか。そして、高野さんのあくなき冒険心と異文化体験から、今まで捨て置いてきたものごとの中に持続可能な明日へのヒントが得られる本書を是非、ご覧ください。
なお、高野さんの人生のパートナー、大前純一さんがお書きになった『地球、そこが私の仕事場』(小社刊)も併せてお読みください。お二人の地球村の少数民族(マイノリティ)へのやさしい思いが、息の合った二重奏のように奏でられていることに気づかれることでしょう。
『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて―冒険と教育の25年』(高野孝子著)
定価1680円 四六判324ページ・写真多数
ISBN978-4-907717-06-3
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社説と称して掲げる私記 35
「9月も半ば、暑い夏の出口が見えてきた?」
「いやいや、ひと休みらしいよ」
今年の夏は、熱気にやられて、仕事はそっちのけで、こっくりこっくりお船を漕ぐことが多かった。それもそのはず、事務所ではベランダの鉢植えが枯れるという理由で、毎年エアコンをつけていない。熱中症対策からいうと、なぜ? という話になりがちだし、それ以前に陰では「変人」扱いされていることが多い。
夏は、ドアを開け放ち、すだれと扇風機で過ごすのが通例となっている。しかし、今年の夏はさすがにそれだけではもたなかった。マイボトルに氷をつめて、冷たい水を補給した。今年ほど、冷水がこころからおいしいと思ったことはない。
冬はベランダの鉢植えが枯れるという同じ理由から、どんなに寒くてもエアコンは一切つけず、もっぱら事務机の下の足温器とオイルヒーターで暖をとる。やっぱり変人だ。小社へ来慣れた人は、オーバーを着たまま用件を済ませることが多い。
一般的に会社という所は、自宅よりりっぱな構えで、夏は冷房、冬は暖房で来客をもてなすのが「ごちそう」だが、小社は例外だ。真夏や真冬にはじめて来社した人たちは、暑さ寒さに耐えられず早々に帰っていくことが多い。打ち合わせ用のテーブルの上には、夏は一応団扇を備えておくが使ってくれる人はまずいない。数年前、真夏に来社したある長く伸ばした髪のご婦人は、あまりの暑さに耐えかねて、後ろ手ですばやく髪を束ねるやポニーテイルにして暑さを堪えてくれた。
それまでしてもエアコンを使わないのは、もちろんベランダに数鉢ある鉢植えのせいもあるが、エアコンそのものが嫌いなせいもある。人工の涼風に、肌が勝手に反応して鳥肌が立ってしまうのだ。飲み会などで冷たいビールを飲む時も、部屋の中が冷房でぎんぎんに冷えていると鳥肌が立って困ってしまうことがある。相手の話に感極まって鳥肌が立つ時もあるが、ビールつぐ度に鳥肌立つ景色はいかがなものか。今ではジャケットが手放せない。その結果、夏でも冬でも電気代が安くてすみ、かつ二酸化炭素削減にも大いに貢献している。
それにしても、昔の人は、暑くても寒くても現代人ほどは音を上げず、涼しい顔(?)して生きてきた。冬は熾き火やこたつなどで少しばかりの暖を取り、夏は打ち水や行水などをして涼を得たにちがいないが、おおむね自然の気候や温度に自分の身体を慣らして適応したのではないだろうか。してみると、現代人はなんと脆弱で適応力が衰弱していることか。『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて』(小社刊)の高野孝子さんは、暑さは50度超から寒さは零下45度までの超絶するような過酷な大自然の中で世界を駆けめぐってきた人であるが、人は鍛えればそれ相応の適応力を持つことができることを証明している。
子どものころ山野を駆け回って育った山人は、適応力を育む暮らしは豊かさをも育むと考える。だが、人としての適応力を失ってしまった現代の便利さとは何なのか。それは、世界中の人々が今の日本人のような生活を続ければ、地球が2.3個分も必要とする暮らし方でもある。資源小国の日本人は、いつのまにか「貧乏くさい」とそれまでの自分たちにふさわしい、慎ましい生き方を切り捨て、1960年代のアメリカ映画のような石油をじゃぶじゃぶ浴びるように使う豪奢な暮らしを羨望し、それを目標としてきてしまった。
だが、日本人の多くは、便利なモノに囲まれているのに、こころは一向に豊かになれずにいる。そして、あいかわらず便利さと豊かさを勘違いして、便利さに血道を上げる地球村のドラ息子を演じている。エコな生き方が親の説教のように聞こえたら、地球資源という米櫃(こめびつ)もすぐに空になろう。産業革命以来、250年ほどで地球一個分の資源をたいらげようとしている餓鬼の大群たるわれらが人類は、地球資源をもっと心して食うべし、心身健やかに自然と遊ぶべし。
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