DE かいぞう 38号

       


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高野孝子さんの『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて』刊行!

高野孝子さんが、映画『地球交響曲第七番』に出演!

 7月中旬に一般公開される『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第七番』に、(特活)エコプラス代表理事の高野孝子さんが出演されます。映画出演を機会に本を出していただくことにしました。

 この本には、高野さんの「冒険と教育の25年」がおさめられています。本の謳い文句は、以下のようです。

 自然と異文化の中で「地球人」が育つ

 摂氏50℃を超すマダガスカルから零下45℃の北極海、そしてカヌーが残るミクロネシアの孤島まで、世界を駆けめぐる冒険を重ねた後、英国ケンブリッジ大とエジンバラ大で研究生活を送り、故郷の新潟県南魚沼市に舞い戻って田んぼと向き合う日々。地球的な視野を持ちつつも地域に根ざした「人」は、どのように育つのか。自らの体験に照らし合わせて、浮き彫りにする。

 映画を監督された龍村仁さんには、次のような推薦文をいただきました。

 

「昔の叡智は未来の科学」

高野さんの生きざまから生まれたこの言葉の中に、

地球(ガイア)の未来への希望がある。

全ての生命が潔く健やかに生き続けるために。 

 本書の副題には「冒険と教育の25年」とありますが、生い立ち篇、冒険紀行篇と環境教育篇からなる三部構成となっていて、著者のほぼ半生記と言える内容の本となっています。

 地球交響曲に出演された高野孝子さんについて、ある程度ご存知の方はもちろん、まったくご存じでない方も、わかりやすい文章と多数の写真で、高野孝子の見取り図として「Who is Takano Takako?」「What is Takano Takako?」の疑問符が解けます。

 そればかりか、高野さんがこれから社会と人に対して何を働きかけようとしているかわかる本です。高野さんは地域独自の根っこ教育によって、人々が失ってしまった地域と自然のきずなを取り戻し、人と社会に元気をもたらそうとしています。

 とりわけ根っこを失った、根無し草のような都市住民にとって、どうすれば一人ひとりのアイデンティテイを回復できるのか。そして、高野さんのあくなき冒険心と異文化体験から、今まで捨て置いてきたものごとの中に持続可能な明日へのヒントが得られる本書を是非、ご覧ください。

 なお、高野さんの人生のパートナー、大前純一さんがお書きになった『地球、そこが私の仕事場』(小社刊)も併せてお読みください。お二人の地球村の少数民族(マイノリティ)へのやさしい思いが、息の合った二重奏のように奏でられていることに気づかれることでしょう。

『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて―冒険と教育の25年』(高野孝子著)

定価1680円 四六判324ページ・写真多数         

ISBN978-4-907717-06-3


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知恵の海を象る意味で出版社名とし、ロゴに見返り海象(かいぞう)を据えました。
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 社説と称して掲げる私記 34

 梅雨の合間の初蝉

                   小日向山人

 寝苦しい、寝汗びっしょりの寝床で、今みた夢を反芻して、いやな気分になった。解決できない堂々巡りの夢の片鱗。ああ、また学校時代の試験の夢だったり、勤め人時代の仕事の夢だったり。いくつになっても夢にさえ現れる、自由のない瑣末事の終わりのない連続劇。誰にだってある。咀嚼しても咀嚼できないことが。とくに起承転結のない、とりとめもない夢の中では。

 今朝は、明け方からカラスが鳴き騒いでいた。巣別れの時期か、何羽もひっきりなしに鳴いている。あまりにエンドレスに鳴いているので、何か不吉なことが起こる知らせかなと思うが、それとも違うらしい。あちこちの軒先や、木の枝に止まって、野球のノックでも受けているかのようにかけ声を掛け合っているようだ。烏合の衆はとかく口が減らない。

 浅い眠りの中で、夢のかけらに飛び乗って、なおも夢の世界へ入り込もうとするが、すでに夢の扉は閉ざされ、カラスの鳴き声だけがやけにうるさく耳に付く。夢とうつつの狭間で、ある考え事をするが、長続きはしない。ほっぽれ、うっちゃれ、おまかせだと、もう一人の自分が気怠く答える。そのうち、また眠りに落ちていた。

 雨音で目が覚めた。雨樋から漏れ落ちる不規則な雨音。ああ、今朝も雨なんだと、気分まで爽快になれず、枕元にあった読みかけの新聞紙に目を落とした。カラスがまだ雨の中を遠くへ行ったり近くへ来たり、鳴きながら飛んでいた。完結しない夢の残滓に、頭はぼんやりしたままだ。

 それにしても、近頃の雑誌は、なんてえげつない、せこい、あつかましいタイトルが並んでいるんだろう(売上げ部数に責任を持つ編集長クラスの編集者が、厚化粧たっぷりに記事を仕立てて、どんな顔をしているのか楽屋裏を見てみたい)。洗練さとはほど遠く、言葉はいつから紙ツブテから脳毒素になったのか。

 雑誌に限らず、流通する言葉が汚くなると、読み手の心まで汚染され、ささくれだってくる。心は穏やかならず、世の中までが歪んで見える。阿漕(あこぎ)な、売れれば何でもよしとする言葉は、読み手の脳細胞まで毒素で麻痺させてしまうかのようだ。まともな人間は、マスコミに対してリテラシー(読み書きの能力)を高めるにしくはない。

 雨も上がった昼過ぎ、うっとおしい梅雨の合間に、ふと聞き覚えのある蝉の声。初蝉だった。心が一向に晴れぬのに、もう夏なんだと思い知った。

     猫鳴けば夢のかけらも砕け散る   山々


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