DE かいぞう 2号   


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『みんなのNPO−組織づくり・お金づくり・人づくり』完成!

         前号お知らせした小社刊NPOシリーズ第一弾『みんなのNPO−組織づくり・お金づくり・人づくり』(スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著 枝廣淳子訳)が完成した。
 本書は、アメリカはワシントンDCにオフィスを置くNPO(非営利団体)支援専門会社・スミス・バックリン・アンド・アソシエイツが、50年以上にわたるそのノウハウをマネジメントの立場から事細かにマニュアル化した本である。原題は「The Complete Guide to Nonprofit Manegement」。すぐにでも役立ちそうなフォーマットや多数の実例を引用して記述内容をわかりやすくするなど、文字通り「非営利団体運営の完全ガイド」である。

 本書は、大別すると3部から成る。

[第一部 基礎を築く]組織の方向を定める/理事会とスタッフの協力関係/資金集め

[第二部 使命を追及する]非営利団体にマーケティング志向を作り出す/求められている教育プログラムを提供する/会合を上手に計画する/PRのツールを効果的に用いる/組織の大義のために政治的支援を得る

[第三部 組織を管理する]財務管理/新しい情報技術/職員と職場環境/重要な法的要件の知識/コンサルタントを選んで使う

中でも第二部の「組織の大義のために政治的支援を得る」、第三部の「財務管理」、「重要な法的要件の知識」の各章は、日本の実情にはそぐわない内容ではあるが、NPOの本場アメリカで、150万の非営利組織を束ねる制度上の仕組がよくわかって大変参考になる。とりわけNPOに対する税金優遇の制度の解説などは、これからの日本のNPOにとって一大指針(ガイドライン)となろう。

 本書を読むと、「NPOは人のためならず」、まさしく自分のために存在し、電車の中でころがっている空缶でも拾うように気軽に設立し、参加する、普段着の「社会システム」としてしっかりと根付いていることに驚くばかりである。

 また、NPOの経営戦略書の副次効果か、巧まずして新しいビジネスのヒントが随所に垣間見える。「第三の経営戦略書」としても大いに活用できそうだ。

 NPOは、21世紀の合言葉になること請け合いである。ちなみに、本書の帯の背文字は「21世紀のことはNPOに聴け!」である。
 翻訳者は、『人生に必要な荷物 いらない荷物』『ときどき思い出したい大事なこと』(ともにサンマーク出版)『エコ経済革命』(たちばな出版)などの訳書がある枝廣淳子氏(国際環境会議通訳者・環境ジャーナリスト)である。


フォーラム「この指とまれ!」



人と人が立場の違いを認め合い、コミュニケーションを図るために生まれたフォーラム欄「この指とまれ!」。今号は、海象ブックス第一弾『歩くヒント−江戸東京歴史ウォーク 都心・下町篇』に寄せられた愛読者の声を紹介しよう。

「私は約50年にわたる会社勤めを辞め、昨年からバイオリンやピアノを習ったり俳句の会に入って老後を楽しんでおります。特に俳句作りのため最近東京下町をあちこち歩くについて、このたびとても参考になるよい本が入手できたことを喜んでいます。いつも抱えて歩きましょう」(横浜市/但丸義雄さん)

「こんな本が欲しかった。私40才の主婦ですが、昨年の12月にひょんなことから江戸を歩きたいと思い色々な本を見てちょくちょく出かけていましたが、歴史もよくわからずただただ自分の好きな隅田川べりの大川端リバーシティあたりをウロウロしたり、門仲散策したり…でもこの本にお目にかかって、がぜんおもしろくなって来た。江戸ウォーク、今は、東京の富士山を制覇したくなって来たところですぞ」(所沢市/渡部美幸さん)

「大変ていねいにご調査なさっておられることに感謝申し上げ、機会あるごとに利用させていただきます」(秋田市/間山哲夫さん)

「私事ですが、当時国民学校4年生まで新宿に在住していました。子供の頃の事なので記憶も薄れていますが、何かなつかしいものに会えた気分にさせられました。今回は都心下町篇なのでまだ続くと思いますが…

ぜひ各地のものを発刊してください」(千葉県夷隅郡/吉田幸子さん)

他にもたくさんの方から、お便りをありがとうございました。

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また、自費出版のご相談にものります。どうぞお気軽にご連絡ください。


 社説と称して掲げる私記 2

馬の耳に念仏

                    小日向山人

   月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
   舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老いをむかふる物は
   日々旅にして旅を栖(すみか)とす。

 再び、松尾芭蕉の『おくのほそ道』の冒頭の一文である。

 海象社が、第一冊目を出して早4月が経つ。そう言えば、一冊目の「歩くヒント」の表紙には松尾芭蕉に登場していただき、独り悦に入った。「これだれ? 水戸黄門?」とか言われても腹も立てず、黙々と書店を営業して歩けたのは、また時には「歩くヒント−首都圏書店営業篇」を作ったら、さぞ同業他社の新米営業マンに喜ばれるだろうと思うほど雑踏を迷いながら歩けたのも、まったくもって芭蕉のおかげである。そのうえにまた、本書が大手の新聞紙上で何度か紹介の栄誉にあずかれたのも、これ芭蕉のご威光のおかげである。もってめいすべきであろう。

 と、順風満帆にことが進まぬのも世の常。ここで俄然、講談調になるのだが、本をある取次に流し始めて1月半経ったある日、ある書店からの電話によれば、お宅の電話番号がわからず、当の取次へ電話を入れて、かくかくしかじかの出版社を教えてくれと頼んだのに、「そんな会社はありません」と言われたというのだ。最初だからそんなこともあろうか、と寛大な気持ちでいたところ、2週間後、またしても他の書店から同じような趣旨の「苦情」を述べられ、山人、怒り心頭に発した。取次に無いと言われたら、それまでの世界で、この世にあらしめるにはどうすりゃいいんだ、と…。とまあ、こんな風に物事、そうそううまくは進まなかったってことさ。

 それに、もう一方の取次は、口座の開設もままならず、奥付の期限が過ぎてしばらくして取り引きできないとの話があった。「歩くヒント」を満載した海象丸は、さまよえるオランダ人のごとく難破船となって情報の海を漂流するしかないのかと、山のような本を前に山人は人知れず悩んだことである。

 一体全体、出版の流通は多種多様をもって多元的価値の世界を構築するのがつとめではないか。しかるに、金太郎飴のごとき画一的尺度をもって流通を制限しようとする経済至上の考え方は、つまるところ自分の首を真綿でしめるように出版界から活力を奪っているのではないか、などと山人などは思ってしまうのだ。

 それもこれも、人口9割がたの拝金主義が日本全土を覆って、馬には迷惑な話だが、馬耳東風、馬の耳に念仏とばかりに、各々が生かされている理由を知ろうともせず、目先の欲に盲目となっているからではないだろうか。「吾唯足るを知る」。この頃、山人はこの銘がすこぶる気に入っている。

 それにつけても、読者のお力添えを今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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